練兵は指揮官の仕事
人口減少によって人材の確保は難しくなり、最初から優秀な人材を採用することは今や不可能に近い。そうなると、離職率を下げ、今いる従業員を戦力化することがまずはしなければならないことになる。またそのためには、彼らのやる気やモチベーションを上げるということがますます重要になってくる。
ところで、「勇将の下に弱卒なし」という言葉がある。“上に立つ者が優れていれば、その下につく者も優れている“ということを表す言葉だ。この言葉の対義語を調べても出てこないので、AIに訊くと「優柔不断な将の下に弱卒あり」とか、「無能な指揮官の下に有能な部下なし」と回答であった。
また、統帥参考(旧陸軍の将校養成テキスト)には「統帥の中心たり原動力たるものは実に将帥にして、古来軍の勝敗はその軍隊よりも寧ろ将帥に負う所大なり。」とある。
古来より、勝敗は指揮官の指揮能力によるものと考えられてきた。
ここで言いたいことは、練兵は指揮官の仕事であるということ。従業員(兵卒)を優れた戦力に育てられるかどうかは上司(指揮官)の指揮能力で決まる。
従業員教育というと、OJTや研修、e-ラーニングなどが挙げられるが、これらは部下の頑張りに負うところが大きく、またそれらの方法だけでは不足していると考える。
少なくとも、嫌いな上司や高圧的な上司の下では部下は本気にはならない。上司がどう部下を鼓舞しどう関わるか、そのコミュニケーション能力をあげることが一番に考えなければならないことだと考える。また、そのようなコミュニケーションが社内で行われる環境づくりも大事である。
従業員教育は一つのビジネスであり、今後ますます重要な役割となっていくだろう。だだし、外部講師に委ねる場合もあるだろうが、経営者のもとで風通しの良い企業文化として教育体制が構築されるべきである。
従業員教育を施してもあまり効果がないという場合は、統帥(統制)が機能していないというのがその原因だと考えている。
今井 彰.(→プロフィール)
Con(隣に)+sult(座る)+ant(物)・中小企業診断士
兵庫県尼崎市を中心に活動しているコンサルタント。あえてcon(ともに)+sult(座る)+ant(者)と名乗っている。なぜなら、“どうしたんだい?”と言って悩んでいる人の隣に座り、一緒になって考えたりアイデアを出したりするのがコンサルタントの本来の姿だと考えるから。対応範囲は小売飲食の売上向上策から製造業の販路開拓まで、またそれに付随する人材育成。30年以上に渡り、モノを売る技術(買う気・やる気の作り方とその伝え方)について実践の中でノウハウを培ってきた。同志社大学商学部卒。
- コーチングマネジメント (6)
