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補助金の審査をしていて思うこと

最近補助金の審査をしていて思ったことがあるので一筆。

競争力強化と優位性の違い

”差別化し競争力強化”と記述している企業様がおられた。内容的には優れたものであるとは思ったが、我々審査員は審査項目に従って審査をする。いかに補助金による設備投資が競争力強化につながるかを説明されても、大概の補助金では優位性について問われているので、優位性に繋がるものではないと高い評価をすることができない。競争力強化と優位性は別物なのだが、今回に限らず以前からその辺を曖昧なまま補助金の申請をされている企業様は数多くある。

優位とは「他のものよりも勝る位置・地位。優越する位置・地位。またそうした位置・地位にいる様(大辞林iphone版)」である。私自身は優位性を”他社には真似できない特徴をもつことで頭ひとつ抜きん出ること”だとおもっている。

一方競争力強化は競争力(「他との競争に打ち勝つ力(大辞林iphone版)」)を強化することであり、競争に打ち勝つ力、他社と争えるだけ後からを手に入れることである。

よくある申請内容は、「この新型の設備を導入すれば、競争力強化につながる」というもの。この場合、他社も同じ設備を導入すれば、同じことができるようになるということなので、この設備をいれても優位(頭ひとつ抜きん出る)訳ではない。

ものづくり補助金の場合、以前認定支援機関のチェックが必要だった時、認定支援機関向けのマニュアルでは競争力強化について問われていたので、未だその時の影響が残っているのかもしれない。

ただ他の補助金の申請書でも同様にこの違いが曖昧なものを見かける。

文章は簡潔に

知り合いの審査員の何人かに聞くと、中には一件あたりにかける時間が結構短い人がいた(昔は5分と答えた豪の者もいた)。こちらも仕事なので、時間単価を考えるとあまり時間をかけることができないとの弁であった(短い時間で50件以上の審査を求められて時間が足りないと答える先生も居られた)。

中小企業診断士はその資格を取得する過程である程度論理的な思考力を身につけている。とはいえ、短い時間でしか審査をしない先生の中には文章が難解だと読み飛ばしたり誤読したりする人もいるだろう。そしてその結果評価が低くなることもあるだろう。

〇〇研究所やコンサルタントといった名前の企業様の中にはあえて文章を難しくしてくるところがある。もしかしたら煙に巻こうとしているのかもしれないが、かえって評価が低くなってしまっているのではないかと考える。

嘘を書いたり話を盛ったりしないほうがよい。

嘘を書いたり話を盛ると申請内容に矛盾や齟齬が生じてくる。なのですぐにバレる。また知らない設備だったりするとメーカーのHPの仕様書をみるなど裏取りをしたりする先生もいるだろう。申請書には様々な加工に対応できると記載されているが、導入設備の写真を見るとどう見ても一種類の加工しかできないように見えたので実際にメーカーのHPを見て確かめたこともあるし、昔歯科医向けの設備で申請書ではあらゆる歯の治療に対応できるとは記載されていたが、厚生労働省のHPを見ると小臼歯しか認可されていないことが解ったりした。この時どう点数をつけたかはここでは書けないが、時々、小型機でよいところを将来のことを考えて大型機で申請内容を書いてくる企業様がいる。お気持ちはわかりますが、よっぽどうまく書かないと審査員にはバレバレです。

最後に

事業再構築補助金の公募要領には「事業計画書の具体的内容については、審査項目を熟読の上で作成してください 」と書いてある。冒頭にも書いたが審査員は各審査項目と照らし合わせて妥当かどうかで判断している。事業計画書を書き上げたら、一度審査員になったつもりでチェックしてみることをお勧めする。

  

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