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補助金の考え方

補助金の考え方>>補助金とは>>「補助金の手引き」はルールブック

 「補助金の手引き」はルールブック

補助金は後払い。申請書が採択されたからといって補助金が満額支払われるわけではありません。

応募申請であれ交付申請であれ、申請書は補助金を交付に値する活動かどうかを判断するものでしかありません。つまり申請が通ってもそれは補助金をもらう権利を得ただけの話でしかない!活動後に提出する実績報告書の内容が確定検査で認められて初めて補助金額が確定し、そしてお金は支払われるのです。

確定検査でチェックされるのは、申請書の内容通りの活動だったのか?手引き(ルールブック)に沿った活動になっていたか?というモノ。業務報告書の内容や証憑の添付に不備があれば不備がなくなるまで何回でも修正は求められるし、修正できなければ補助金額は減額されてしまいます。

ある補助金では、あまりにも実績報告書に不備があるため修正を求めた結果不備ループ”に陥るケースが多々あったようです。そのことが原因なのか、最近は交付申請の審査を厳しくすることであらかじめ不備を潰しておこうという傾向にあるようです。したがって、事前着手が認められている補助金では、応募申請は通ったものの、交付申請の段階で書類が整わず、場合によっては整わなかったのもについては断念しなければならないケースがでてくるのではないかと危惧しています。

補助金ルールの主なポイント

  • 交付申請の審査と実績報告書の確定検査は基本的に各補助金の「手引き」(と各補助金事務局の内部規定)に従って行われます。従って事業を始める前に「手引き」の熟読は必須です。適当に読んで事業を行った結果、不備の修正に手間取り支払いに遅れが生じたり、最終的に支払額に減額が生じたりすることがないように気をつけるべきです。(公募要領も手引きも補助金の回ごとに修正されていくので、その回のモノで確認しておく必要があります。)
  • 事務局の内部規定は外部秘であり教えてもらえないが、この判断で大丈夫かどうかはコールセンターに質問すればそれで良いかどうか答えてもらえることが多いようです。(判断が難しい場合は、“審査員が判断しますので、とりあえず出してみてください”と答えているようですが、迷ったらすぐにコールセンターに確認しておいた方が良いと思います。)
  • 省庁ごとに具体的な経理処理の方法について「補助金事務処理マニュアル」が作成されていますので、こちらも「手引き」と合わせて読んでおく必要があると考えます(手引きはこのマニュアルに沿って作られます)。なお、たとえば「経済産業省補助事業事務処理マニュアル」と検索すると、改訂が結構な頻度で行われているがゆえに改訂前のものが上位に表示される場合があります。したがって各省庁のホームページにある検索窓から“補助金事務処理マニュアル”と打ち込んで最新のものを確認しておきましょう。
  • 補助金は補助金適正化法(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律)及び補助金適正化法施行令(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令)等に基づいて実施されています。なお、この法律には罰則規定(五年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するなど)があります。
  • 第六章 罰則
    第二十九条 偽りその他不正の手段により補助金等の交付を受け、又は間接補助金等の交付若しくは融通を受けた者は、五年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
     前項の場合において、情を知って交付又は融通をした者も、また同項と同様とする。
    第三十条 第十一条の規定に違反して補助金等の他の用途への使用又は間接補助金等の他の用途への使用をした者は、三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
    第三十一条 次の各号の一に該当する者は、三万円以下の罰金に処する。
     第十三条第二項の規定による命令に違反した者
     法令に違反して補助事業等の成果の報告をしなかった者
     第二十三条の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をした者
    第三十二条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定のあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、当該法人又は人に対し各本条の罰金刑を科する。
     前項の規定により法人でない団体を処罰する場合においては、その代表者又は管理人が訴訟行為につきその団体を代表するほか、法人を被告人とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
    第三十三条 前条の規定は、国又は地方公共団体には、適用しない。
     国又は地方公共団体において第二十九条から第三十一条までの違反行為があつたときは、その行為をした各省各庁の長その他の職員又は地方公共団体の長その他の職員に対し、各本条の刑を科する。

経理処理で最低限押さえておくこと

  1. 補助金の経理処理は、通常の商取引や商慣習とは異なり、補助金のルールに従った手続きが求められる。事務局による確定検査を踏まえた補助金額の確定は、事前着手の承認を受けた事業者に対しても、補助金のルールに従って実施される。
  2. 経費として認められるのは、交付決定日以降(事前着手承認制度があるものは、制度として認められている日付以降)に発生(発注)したもので、事業期間中に終了(銀行振込が終わっているなど支払いの過程が完了)したもののみ。 したがって、支払い金額に期間外のものを含む場合などは按分する必要がある。また、カード払いが認められていても、事業終了期限までに銀行引き落としがされていなければ対象外となる。
  3. 支払の事実に関する客観性の担保が必須なので支払は銀行振込が原則となる。また、支払の事実を証明できる証憑類(銀行振込受領書等)は保管・整理されていないといけない。(銀行振込以外の支払い方法が認められるかどうかは各補助金の手引きを確認してください。現金払い不可のものや、カード払いの認可が必要なものがあります。)
  4. 経費としてみとめられるのは、補助事業の目的に合致したもののみであり、当該事業に使用されたことが確認できる資料等が整理されている必要がある。
  5. 証憑は仕様書(見積依頼書)、見積書・相見積書、契約書、納品書、検収書、請求書等が必要であり、一連の経理書類を時系列で保管する必要がある。つまり証憑は原則として仕様→見積→発注→納品→検収→支払の順で綴られており、設計図面や仕様書及び納品物等により、適正な取引が行われていることを明らかにされていなければならない。
  6. 見積書・相見積書は同じ条件(仕様)に基づいて作成されており、発注先は、価格競争により経済性の観点から相見積りの中で最低価格を提示した者が選定されていなければならない。国の考え方は相見積=入札である。したがって選定書もこの観点から記述されていなければならない。(最低価格を提示した者を選定する場合や、たとえば一社しか取り扱っておらず同一条件での相見積ができない場合などは、選定理由書を提出してもどの程度の内容で認めらえるかどうかは事務局判断になります。発注は事務局の判断を仰いでからのほうが安全でしょう)

その他に押さえておくべき経理処理のルール

財産の管理・処分に係る処理について

補助事業で取得されたものは、補助事業が終了した後も善良な管理者の注意のもとに適切かつ効率的に運用を図っていなければならない。また、単価50万円以上の施設・機械設備等を取得又は改良等した場合(以下「取得財産」という)を、その補助金で定められた処分制限期間内に処分(転用、譲渡、貸付け、廃棄又は取壊し及び担保に供する処分)しようとするときは、あらかじめ大臣の承認を受けなければならない。(処分制限期間内の取得財産を大臣の承認を受けずに処分した場合には、交付決定の取消等の処分が行われる場合があります。)

収益納付に係る処理について

次の二つの場合、その補助金の、交付要綱に基づき経済産業省に対してその旨の報告を行う必要がある。また、その報告により収益が生じたと経済産業省が認めた場合、その収益の全部若しくは一部を国に納付させる必要がある。(ようは補助事業で儲けがでたら、その分は返せということです。)

  • 補助事業の実施完了により収益があると想定される場合。(収入が発生しなくても報告の義務はあります。※)
  • 補助事業の成果に基づき産業財産権の取得等をし、その譲渡又は実施権の設定を行なった場合や成果の供与をする場合。(例えば補助事業によって特許を取得し、特許の使用や、その特許を譲渡や実施権を設定したことで収益が発生した場合は、収益の全部もしくはその一部分の金額を補助金の支払額から減額する必要があります。)
  • ※例えばキッチンカーを購入した場合、営業目的で購入されたものなので補助事業期間に売上がたっていると想定される(もし営業せず売上が立っていない場合は補助事業が実施されなかったことになるので補助対象外になってしまう)。したがって、営業したけれど収益は「0円」だったということを報告しなければならない。

「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」の提出

「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付した確定申告書を所轄税務署長に提出すれば、その補助金等で固定資産の取得や改良に充てた部分の金額に相当する額を総収入金額に算入しないことができる。つまり、この取り扱いを受けた固定資産に係る取得費等の額は、補助金等の額を控除した残額になり、たとえば。この取扱いを受けた固定資産に係る減価償却費の計算は、この残額を基礎として行うこととなる。

▶︎消費税仕入控除税額に係る処理について 税制上、補助金は特定収入(不課税収入)であるため、補助事業(補助金で行った事業)は預かり消費税の対象とはならない。したがって課税事業者が消費税を含まれた金額で補助金額を申請し認定されている場合、消費税等相当額分を返還する必要が出てくる。この場合、消費税の確定申告終了後速やかに報告することが必要である。(多くの補助金では税抜価格で計上されるのでこの処理が起こることはありません)

ちなみに次の要件の場合は消費税等相当分の返還が必要ない

次のいずれかに該当する場合には返還の必要はありません(但し、以下の6、7の場合の補助事業は報告不要の場合あり)。なお、返還がない場合でも報告は必要となります。その場合は、その理由がわかる資料を整理してください。

  1. 消費税の申告義務がない。(=免税事業者)。
  2. 簡易課税方式により申告している。
  3. 公益法人等(※)であり、特定収入割合が5%を超えている。
  4. 補助対象経費に係る消費税を個別対応方式において「非課税売上のみに要するもの」として申告している。
  5. 補助対象経費が人件費等の非課税仕入となっている。
  6. 補助金に係る仕入れに係る消費税等相当額を補助金額から減額して実績報告を提出した場合。
  7. 消費税を含まない金額で補助金が交付された場合。
  8. (※)公益法人等とは地方公共団体の特別会計、一般財団法人、一般社団法人、学校法人、公益財団法人、公益社団法人、国民健康保険組合、国立大学法人、社会福祉法人、地方独立法人、独立行政法人、日本赤十字社等が該当します。詳しくは消費税法別表第三をご覧ください。

消費税等相当分の返還が必要な場合の処理

課税売上高が5億円以下、かつ課税売上割合が95%以上の場合は、課税仕入れに含まれる 消費税の額はその全額を課税売上げに係る消費税の額から控除できます。95%未満の場合は課税仕入れに含まれる消費税額の全額は控除できなく、税務申告の際に以下のイ、ウの方式のいずれかを選択することになっています。

       
  • 課税売上高が5億円以下、かつ課税売上割合が95%以上の場合(全額控除)
         補助金額×10/110=返還額(円未満切り捨て)
  •      
  • 課税売上割合が95%未満の場合で「一括比例配分方式」を採用している場合
         補助金額×10/110×課税売上割合=返還額(円未満切り捨て)
  •      
  • 課税売上割合が95%未満の場合で「個別対応方式」を採用している場合
        AとBの合計額=返還額
        A:課税売上のみに要する補助対象経費に使用された補助金
          補助金額×10/110=返還額(円未満切り捨て)
        B:課税売上と非課税売上に共通して要する補助対象経費に使用された補助金
             補助金額×10/110×課税売上割合=返還額(円未満切り捨て)

今井 彰

中小企業診断士・ビジネスコーチ

1968年生。同志社大学商学部卒。得意分野は売上向上策と人を育てる技術(相手を買う気・やる気にさせる仕掛けづくり)。 将来起業することを目指し大手流通業に就職。店長として店舗レイアウトや店内販促物の作成、コーチングを使ったスタッフ教育で評価を得ていた。 ビジネスコーチ・流通系コンサルタントとして独立。小売店や飲食店の売上向上策について支援を行う。一方公的支援機関にて販路開拓や創業・事業承継の支援に携わる。なお、コンテンツには個人的な見解や意見が入っています。あくまで参考としてお読みください。また、公募要領や補助金の手続き等を熟読いただき、場合によっては事務局に問い合わせの上、ご自身の判断と責任のもと申請や手続きを行なってください。