ガバナンス
企業統治と訳されることが多いようである。
確かにガバナンス(governance)について和英辞典では次のように書かれている。
1.(国家の)統治(法)
2.(企業・組織などの)運営(方法)、管理
ところで、ガバナンス(governance)は動詞governから派生した名詞であるが、governの原義は「船の舵を取る」である。同じ派生名詞にガバメント(government:行政府、政治体制など)があるため、1の統治(支配し治めること)と訳されることが多いのだろうが、原義から考えると2の運営(※)の方が訳としてはより適切だと考える。
個人的には舵取り=導くことと考えているのでこの言葉を“適切な目的地に向かって)導くこと”と意訳して使っている。
今の時代は、昔のようにみんなが同じ目的地(goal)に向かうのではなく、個々の企業独自のgoalを設定していかなければ生き残れなくなっている。
例えば、昔は“儲けるために、会社を大きくする”と当たり前のように言われていた。しかし、今は、利益率を上げるため組織を縮小することは有効な経営判断であるし、同じ会社を大きくすると言っても一つの事業で規模の経済(スケールメリット)を追い求めるのではなく、様々な事業を組み合わせ多角化することが会社全体の安定化が求められている。
企業に応じた適切なゴール設定をなされていること。そして適切な舵取りがなされていることが今後ますます重要になってくる。
※運営:組織や機構などを動かし、うまく機能するようにすること