なぜ成功できないのか?

何故多くの人が成功を望みながら実現できないのか、理由は次の3つではないかと思う。
1.正しい答えに辿り着けていない
“なぜ、貧乏人は貧乏のまま、金持ちはますます金持ちになるのか?答えは、貧乏人は貧乏人に金持ちは金持ちに相談するからである。”という冗談がある。
が、私にはそれが真実に思えるので笑うことができない。
お金持ちはどうやったらお金持ちになれるかを知っている。しかし、貧乏人はお金持ちになる方法を知らない。答えを知らない人にいくら答えを尋ねても、その答えは正しいものとは限らないということである。
「努力は裏切らない」という言葉がある。これも正しい努力をした場合であって、間違った努力をすれば、いくら努力をしても意味がない。
答えを知っている人・導いてくれる人に相談することはとても大事なことである。ただ、多くの人は相談さえしないのではないだろうか?
2.“こだわり”がつよい
精神的に追い詰められている人ほど“こだわり”が強いように見えるのはなぜだろう?
“こだわる”を漢字で書くと「拘る・拘泥わる」である。メニューなどに“こだわりの〇〇”などと書かれているととても良いものに思えるが、言葉本来の意味は拘る(とらえる=捕まえて自由を奪うこと)であり、“こだわり”が強いとは自分を雁字搦めに拘(とらえ)て自由を奪うことでもある。
元々私たちは、「〜するのが大人の常識である」や「〜するのは男らしく(女らしく)ない」などと親や社会からさまざまなレベルでリミッター(制限)を教え込まれている。さらに私たち自身が自分で自分に制限をかけてしまっていては柔軟に自由に動くことはできなくなってしまう。
“自分のルールを持ち、そのルールに縛られない人が成功者である”とは、古来より伝わる成功の法則と言われたものの一つである。
3.自分が何者なのか、何をしたいのか、将来どうなりたいのか明確なビジョンがない
目標やビジョンを持ち、それに向かって行動し続けるのが理想であるが、実は結構難しい。
例えば、朝車で会社に出勤をしようとする。この段階では目標(何時何分には会社に到着する)に向かって行動している。が、家を出てしばらくして順調に車を走らせている段階になると、ラジオから聞こえてくるパーソナリティーの声に聞き入ったり、今日のお昼何食べようかといった雑念に囚われたりして、目標(何時何分に会社の到着)についての意識は低くなる。
そううまくことが進んでいると人は目標に対する意識が低くなってしまうのである。これは何かに夢中になってやっているときも同じである。
残念ながら目標のことを思い出すのは、思わぬ渋滞に捕まり遅刻しそうになるなどトラブルに見舞われた時である。
経営者の方で「うちの従業員に危機意識がない」と嘆いておられる方を見かけるが、それはこのことと同じ。
目標やビジョンに向かって行動し続けるには、絶えずリマインドし続ける仕組みを作る必要がある。
今井 彰.(→プロフィール)
Con(隣に)+sult(座る)+ant(物)・中小企業診断士
兵庫県尼崎市を中心に活動しているコンサルタント。あえてcon(ともに)+sult(座る)+ant(者)と名乗っている。なぜなら、“どうしたんだい?”と言って悩んでいる人の隣に座り、一緒になって考えたりアイデアを出したりするのがコンサルタントの本来の姿だと考えるから。対応範囲は小売飲食の売上向上策から製造業の販路開拓まで、またそれに付随する人材育成。30年以上に渡り、モノを売る技術(買う気・やる気の作り方とその伝え方)について実践の中でノウハウを培ってきた。同志社大学商学部卒。
- コーチングマネジメント (6)