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Coaching like talking

Sing like talking(話すように歌う)をもじったモノ。理想とするコーチングの在り方として自分で作った言葉。まるで雑談をしているように話をしながら、実はコーチングをしているというのが私の理想。

会話とは本来、言葉のキャッチボールである。お互いに相手が受け取りやすい球(言葉)を投げ合うものである。しかしコーチングはコーチが質問しクライアントが答えるという形式で進むので、人によっては一方的に球を投げつけられているようで苦しいと感じる場合がある。多分このことが、コーチングを嫌う人を作るのだろう。

なぜ質問を受けた人は苦しくなるのだろうか?

一つには日本人にとって、質問とは“問い質す(といただす)”行為であること。質すという言葉は、“尋ねて明らかにする”という意味で、「真意を質す」とか、「意向を質す」という表現で使われる。英語のQuestion(Questの語源は“求める”)は答えを求めること、つまり「答えて!」とお願いする行為とは違って心理的な負担が重く、質問をされただけで結構プレッシャーを感じてしまう。

二つ目の理由は、質問であれQuestionであれ、実は必ず前提条件があり、その前提条件の視点から考えるように仕向ける行為である。つまり質問とは別の言い方をすると“この前提条件で考えなさい”という命令である。例えば販売の現場では、店員はお客様に「この製品はいかがですか?」と尋ねるのではなく、「Aという製品と、Bという製品のどちらが良いですか?」と尋ねるように訓練される。なぜなら、最初の質問は買うか買わないのか判断することを求めているのに対し、後者は買うことを前提に判断することを求めることになるからである。

質問は仕方によっては、かえって相手の思考を縛る。答える方は自由を縛られると感じるので苦痛を感じてしまう。

日本語でコーチングをする場合、質問というスキルは取り扱いに要注意が必要である。

ちなみに、私は質問の心理的負担を消すため次のように表現している。

“言いさし”の多用

“言いさし”とは、最後まで言わずに途中で言葉を止めること。例えば、「それってどういうことですか?」と言わずに「それって・・・・?」と最後まで言わないことである。質問は心理的に負担がかかる行為なので、実は我々の日常会話では“言いさし”という表現がよく使われている。

間接疑問文、付加疑問文を使う。

間接疑問文も付加疑問文も元々は日本語にない文法だが、海外生活の長い方の発言を聞いているとこの二つを次のように表現している。

“I think that・・・・”を「実はこんな風に考えているのだけれど・・・・」、“I hope that・・・・”は「こんな風になればいいなぁと思っているのだけれど・・・・」というように。

付加疑問文は、“〜don’t you?”と相手に同意を求める質問である。これを日本語ですると「〜は・・・である。そう思いません?」という表現や、NHKの松本アナウンサーがよく使われているように「〜は・・・ですよね。」という表現になる。

これらのものはオブラートに包むような表現になるので、真似してよく使っている。


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